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小池晃書記局長が被災地・日田市を訪ねる

日本共産党の小池晃書記局長は7月21日、記録的豪雨で甚大な浸水被害が出た日田市を訪問。

生活や生業再建に向けた被災者の要望を聞き、事業所の再建を支援するグループ補助金のすみやかな適用とともに、コロナ禍で受けてきた損失も含めた中小業者への直接支援などの実現に取り組むことを表明しました。

真島省三前衆院議員、仁比聡平前参院議員、堤栄三、猿渡久子両県議と大谷敏彰、日隈知重両市議が同席しました。

ホテル成天閣・古賀信寿社長「再建に億単位」

創業78年になるホテル成天閣の古賀信寿社長(43)は、ホテルの物品などが濁流で流され、名所だった赤色の成天閣つり橋も損壊するなどの被害状況を説明。

「新型コロナ感染拡大で6月いっぱいまで休業。7月から再開し去年より予約数も増えていた矢先の水害です。つり橋やホテルの再建には億単位の費用が必要」と苦境を話しました。

小池氏は「日韓関係が悪化して以降の韓国人観光客の減少に加え、コロナ禍でもともと損失があった。グループ補助金の適用など再建のための支援に加え、損失を補てんする直接支援を国に求めていく」と述べました。

 

明治42年創業の旅館「本陣」の大庭清見さん(68)は「グループ補助金の適用を」と要望。

小池氏は「すばらしい温泉街が復活できるよう全力を尽くす」と表明。大庭さんは「温泉も出るようになったので、前向きに勇気をもって頑張りたい」と応じました。

一方、対岸の旅館「日田屋」は、崩落した新天瀬橋が源泉をふさぎ、お湯が出ない状況です。

3代目女将の佐藤美香さん(56)は「どこから手をつけていいか分からない状態。橋の撤去がいつになるかはっきり教えてほしい」と訴えました。

小池氏は、政治の責任として早急な対応を求めることを約束しました。

日田旅館組合・諌山吉晴組合長「屋形船修繕に支援早く」

日田旅館組合との懇談では、日田温泉の名物の屋形船が三隈川の増水で流されたり壊れたりして、修繕に1隻700万円もかかるなど苦境が語られました。

日韓関係悪化による観光客減、コロナ禍、水害の「三重苦だ」と述べた諌山吉晴組合長。屋形船修繕には1〜2カ月かかるとし、9・10月のかき入れ時に間に合うよう修繕に着手できる財政支援を訴えました。

政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」について、制度が分かりづらく混乱しているとの話も出ました。

小池氏は「Go Toではななく、観光業に特化した直接支援制度が必要です。第2次補正予算に盛り込まれた10兆円の予備費を活用した、規模が大きく使い勝手もいい観光業支援に取り組みたい」と述べました。

小池書記局長と原田市長懇談

小池晃書記局長は、原田啓介市長に義援金を手渡し、懇談しました。

小池氏は、市役所訪問前に視察した天ヶ瀬温泉や日田温泉の被災状況にふれ、「今までの災害対応の前例にとらわれない支援策が必要だと痛感した」と述べました。その上で、観光業に対する持続化給付金のような新たな制度をつくる必要があると強調し、政府に求めていくと表明しました。

原田市長は、これまでに経験のない豪雨だったと振り返り、「一からというよりゼロから考えなければいけない大きな災害。財政的も不安がある」と語りました。国や県への要望で、早急な激甚災害指定による財政措置や生活再建支援、観光面で重要な路線であるJR久大本線の早期復旧支援を挙げました。

小池氏は、崩落した新天瀬橋の撤去について災害復旧事業が適用できるとの国土交通省の回答も伝えました。原田市長は「国でやっていただけると相当助かる。相談して取り組みたい」と応じました。

仁比氏は「日田の観光が復活したというメッセージを発信できるよう一緒に声をあげていただければ」と語りました。

真島氏は、グループ補助金についてこれまで業務用車両も適用されてきたことを紹介し「旅館と一体の屋形船も当然受けられる」と述べ、「業者に不安がある中、希望がもてるようにしてほしい」と訴えました。